カンファレンスレポート「ad:tech tokyo 2016」(メディア企業編)

2016/9/20-21 に開催された、アドテック東京に参加しました。

アドテックは、世界の主要都市(ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、シンガポール、ニューデリー、 シドニーなど)で開催される国際マーケティングカンファレンスです。
広告主、エージェンシー、ソリューションプロバイダー、メディアなど、各ジャンルのマーケターが集まり、最新テクノロジーのキャッチアップやネットワーキングを行います。

このようなビジネスカンファレンスのレポートは、一般的にはメインのキーノートや著名なスピーカーのプレゼンテーションについて言及しますが、今回は視点を変え、ブース出展企業からデジタルマーケティングのトレンドを読み解いてみます。


2016年のアドテックに出展したジャンル別企業数

ブース出展企業数は84社です。その内訳は以下の通りでした。

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メディア関連の出展企業からみるトレンド

14社が出展していたメディア企業ですが、その内訳は、以下の通りです。

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中でも、キュレーションメディア・オウンドメディアですが、2015年の2社から2016年の7社へと、出展企業数が昨年比3倍以上に増加しています。(出展企業はページ下部参照)

 

トレンド#1|キュレーションメディアの最盛期!

 

目立つ「MERY」の活躍

今回出展の多かったキュレーションメディア・オウンドメディアですが、その勢いを象徴する企業が「MERY」でした。

「MERY」は、2016年3月に紙の雑誌を創刊し、5月にはアプリ500万ダウンロードを突破するなど、今女性から最も人気のある特化型のキュレーションメディアではないでしょうか。

調査によれば、1人あたりの利用回数、利用時間ともに類似のキュレーションメディアの2倍以上とのこと。他のキュレーションメディアから頭一つ抜きんでている感があります。
ニールセン 特化型キュレーションメディアの利用状況を発表

ad:tech tokyo 2016では、最上位のスポンサーである「ダイヤモンドスポンサー」として、ブース出展や大きな休憩スペースを設けるなど、存在感ばつぐんでした。

 

キュレーションメディアの今後

MERYのような特化型キュレーションメディアは、同じくDeNA傘下の「iemo」やサイバーエージェントの「Spotlight」など、様々なジャンル・切り口で存在しており、また新たなメディアも続々と立ち上がっています。
最近リリースされたバーティカルメディアまとめ

また、メディアに出稿する広告料以外にも、NewsPicksの有料コンテンツや、MERYの月額制のネイルサロン優待サービス「MERY PASS」のような、既存メディア利用ユーザに対する課金モデルでのマネタイズ、iemoによる実店舗(Decor Tokyo)運営など、新たなマネタイズの動きも加速しています。

キュレーションメディアの市場規模は拡大を続け、矢野経済研究所の試算によれば、2017年度には395億を超えるとも言われていますが、その拡大は、今なお続くメディア数の増加と、既存メディアの事業展開により支えられているようです。

 

トレンド#2|分散型メディア/動画メディアの台頭

自社メディアを持たないメディア?

最近、Facebookのフィードによく流れる料理動画が気になっていましたが、出展企業の一社、株式会社エブリーが運営企業でした。

・無音でも内容が理解できるよう字幕をつくる
・料理のプロセスをコマ送り/早送りで短く伝える
など、スマホやソーシャルメディアに合った動画コンテンツを自社で制作し、Facebook等に配信しています。
DELISH KITCHEN
エブリー、1分の料理動画 隙間時間にサクッと再生(日本経済新聞)

エブリーのように、自社メディアを持たずに主にソーシャルメディアなどのプラットフォームにコンテンツを配信するメディアを「分散型メディア」と呼び、新たなメディアの形として注目されています。

動画の表現方法に工夫をこらす

また、今回のアドテックに出展はありませんでしたが、分散型以外にも動画メディアは拡大しており、料理・ファッション…といった特化型の他に、縦型動画を配信する「C CHANNEL」、インフォグラフィック動画が特徴の「Spotwright」など、動画の内容に工夫を凝らすメディアが多数存在します。

今注目の国内動画メディアまとめ
今注目の海外動画メディアまとめ

関連して、動画広告市場も拡大を続けているとの調査結果も。
サイバーエージェント、国内動画広告の市場調査を実施

2015年の動画広告市場は506億円、前年比 160%の成長率に。
2016年には、スマートフォン比率が過半数を占め、
2017年に1,000億円規模、2020年には2,000億円規模に到達

アドテックの出展企業では、動画コンテンツのニーズが高まっているのか、動画制作の企業数も微増していました。(出展企業はページ下部参照)

 


上記の分散型メディア・動画メディアの台頭もあり、既存メディア、新興メディアによるユーザ獲得合戦は今後も続くと思われます。移り変わりの激しい業界ですので、来年は全く異なるメディア関連企業が出展しているかもしれませんね。

オウンドメディア・キュレーションメディア関連 出展企業

【2015年:計2社】
1.株式会社Gunosy:ニュースキュレーションアプリ「Gunosy」
2.株式会社TABI LABO:ライフスタイルキュレーションメディア「TABI LABO

【2016年:計7社】
上記2社に加え、
3.株式会社エブリー:料理動画メディア 「DELISH KITCHEN」他
4.株式会社LITALICO:子育てメディア「Conobie
5.博報堂 ガリガリ編集部:アニメ・マンガニュースサイト「ガリガリ
6.株式会社LINE:キュレーションプラットフォーム「NAVERまとめ
7.株式会社ペロリ:女性向けキュレーションプラットフォーム「MERY

動画制作関連 出展企業

【2015年:計3社】
1.90 Seconds Japan(株):世界最大級の動画クラウドソーシングプロバイダー
2.Crevo株式会社:クラウドソーシングを活用したオンライン動画制作プラットフォーム
3.株式会社Viibar:映像制作に特化したクラウドソーシング

【2016年:計4社】
1.90 Seconds Japan(株):世界最大級の動画クラウドソーシングプロバイダー
2.Crevo株式会社:クラウドソーシングを活用したオンライン動画制作プラットフォーム
3.株式会社abasaku:インターネットを中心とした番組動画の企画、制作、管理、販売
4.株式会社サムシングファン:動画制作・動画広告・動画研修

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