カンファレンスレポート「ad:tech tokyo 2016」(ソリューションプロパイダー編)

「ad:tech tokyo 2016」ブース出展企業から読みとくデジタルマーケティングのトレンド、今回はソリューションプロパイダー企業からトレンドを探ります。

前回の記事「メディア企業編」はこちらから


2016年のアドテック東京に出展した、ソリューションプロパイダー系企業の内訳は、以下の通りです。

ジャンル別出展企業数(ソリューションプロパイダー)
※アドテックの公式サイトから筆者作成

 

トレンド#3|マーケティングの常套手段となった「インフルエンサーマーケティング」

インフルエンサーをマネジメントする企業の出展が増加

今や常識となったマーケティング手法の一つ「インフルエンサーマーケティング」ですが、インフルエンサーをマネジメントする企業の出展が、2015年の2社に比べて2016年は7社と急増しました。(出展企業はページ下部参照)

国内向けにYoutube・Instagram・ブログ等のユーザーをマネジメントする企業だけではなく、中にはアジア各国のインフルエンサーをマネジメントする企業の出展もありました。越境ECの急成長が背景にあるかもしれません。

インフルエンサーマーケティングの危険性

盛り上がりを見せるインフルエンサーマーケティングですが、少なからず批判もあるようです。
人気絶頂のインスタグラム 「ステマや広告過剰」批判も(日本経済新聞)

「インフルエンサーマーケティング」という表現を聞くと、各方面に影響力のある人をハブにしてマーケティングを行う、ポジティブな印象を受けますが、上記記事にもあるような質の低い、あるいは過剰な広告は、消費者にそれと気付かせてしまい、結果として劣悪な「ステルスマーケティング」となってしまいます。
インフルエンサーマーケティング、3つの「ありがち」な失敗(DIGIDAY)

特に顕著だったのが、「ダニエル・ウェリントン」という時計ブランドの事例です。

おしゃれな芸能人がドラマや雑誌で身につけていることをきっかけに人気に火が付いたブランドですが、インフルエンサーと呼べるかどうかギリギリのユーザー(Instagramのフォロワー数が数千程度)にまで商品を配り、割引コードと共に投稿させるという過剰なインフルエンサーマーケティングの結果、そのブランド価値を毀損してしまいました。(かくいう私も、このマーケティングを知ってから着用を避けるようになりました…)

個人ブログに経緯の詳細があります。
人気時計ダニエルウェリントンの太っ腹すぎるモニター戦略と、冷めゆく欲望。

一歩間違うとブランド価値を一気に損なってしまう危険性をもつ「インフルエンサーマーケティング」。マネジメント企業は、インフルエンサーの投稿を直接的にコントロールするのではなく、インフルエンサーにも商品を好きになってもらい、自発的にSNSに投稿してもらうようなマネジメントを心がける必要があるのではないでしょうか。

 

トレンド#4|VR技術のメジャー化は間近!?

スポーツ観戦

「VR元年」に出展した、VRコンテンツ制作専業企業

Facebook社傘下のOculusや、ソニーの「PlayStationVR」、スマホを利用したVRヘッドセットなど、ユーザがVRを楽しむためのハードウェアが続々と出てきており、VRへの期待は高まっています。

アドテックにも、2社のVRコンテンツ制作を専業とする企業が出展していました。

InstaVR株式会社|ウェブベースのVR作成/配信/分析ツール
LIFE STYLE株式会社|実写VRの制作〜PRまでのトータルサポートを提供

どちらも2015年には出展していなかった企業ですから、アドテックの出展企業にもVRの盛り上がりの波が押し寄せている、とも言えそうです。

VRの真の活用法?

上記で紹介した企業は、どちらもコンシューマー向けVRコンテンツ制作をサービスとした企業でしたが、VR技術は様々な用法で取り入れられていますが、中でも私が注目しているのがスポーツ界でのVR活用です。

例えば、大宮アルディージャでは、NTTの研究所が持つ「VR&触覚技術」を活用したゴールキーパー体験のシステムを開発。ゴールキーパー目線でスタジアムが見渡せたり、選手のシュートを受けると、手や腹部に装着した装置が振動したりと、リアルなスポーツ体験を提供できるようです。
大宮アルディージャが進める「NACK5スタジアム」のスマート化 – 高密度Wi-FiやVR体験してきた

これまでスポーツには「やったことがある人にしかわからない楽しみ」のようなものがありましたが、VR技術を使うことでその垣根を越え、普段はスポーツを楽しむことができないような方々にもスポーツの楽しさを伝えられるのではないかと、期待しています。

また、ビジネス分野でも、名だたる大企業がVR技術を活用しようと様々な取組みを行っています。
アップル、自動運転技術のテストにVRを使用
Instagram CEOが発言「VRは会社経営において決定的な役割を果たすかも知れない」
NASA、宇宙飛行士の孤独を和らげるVRホログラフィックメッセージを制作中

まだまだ多くの活用方法が生み出されていくでしょう。その需要増に伴い、来年はアドテックへの出展企業数がさらに増えるかもしれません。

 


「ad:tech tokyo 2016」ブース出展企業には、その時のマーケティングトレンドが色濃く反映されていることがわかりました。来年のカンファレンスではどのような企業が出展しているのでしょうか。

■インフルエンサーマネジメント企業

モニタ合同会社|国内外のトップインフルエンサーを起用したPRをクライアントに提供
Bizcast|YouTuberを始めとする個人がクリエイティビティを発揮し、サステナブルに活動するためのアクセラレーター
THECOO株式会社|YouTuber と企業を繋ぐiCON CAST(アイコンキャスト)の運営
株式会社エビリー|大手SNSに対応したインフルエンサーとビデオDBを持つ動画マーケティング支援サービス「kamui tracker」を提供
株式会社アドピック|成果報酬型バイラルマーケティングメディア「アドピック」
株式会社アイズ|ブログ・twitter・Instagramを活用して情報拡散・商品体験モニター・イベント派遣など様々なご要望に応える
ウィズフルエンス株式会社|アジア向けのクロスボーダー・インフルエンサー・マーケティングを企画から実行、効果測定まで一気通貫に対応