インターネット広告と最新テクノロジーの関係

インターネット広告で用いられるアドテクノロジーは、それ自体が最新テクノロジーとも言えますが、今回は、アドテクノロジー以外の最新テクノロジーがインターネット広告にどのように関わるのか、研究・先進事例を紹介しながら未来を想像してみます。

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インターネット広告 × ドローン

ドローンを使用して空間にモニターを作り出す「SKY MAGIC」というサービスを、DSP/SSPを提供するマイクロアド社が提供しています。

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(出典|ドローンの光をつないで空間を巨大ディスプレイに――“21世紀の広告”「Sky Magic」始動

ドローンに660個のLEDを搭載し、多数のドローンが集まることによってディスプレイの画素を構成するというものです。

例に挙げられている大規模スタジアムでの利用や、街中でも、移動可能かつ臨時に利用できるの大型ディスプレイとして、広告を表示することが可能になるかもしれません。例えば、花火大会の途中で広告を表示するなど、時間や場所によっては媒体価値の高いメディアとなりそうです。

ちなみにクリエイティブディレクターは高城剛氏。一時期「ハイパーメディアクリエイター」の肩書が話題となりましたが、広告業界期待の次世代メディアとなりそうです。

インターネット広告 × 人工知能

インターネット広告最大手のサイバーエージェント社(以下CA社)は、より最適な広告配信技術の研究・開発を目的に、人工知能・機械学習を研究する「AI Lab」を2016年1月に設立し、様々な大学との産学連携し、研究を進めているようです。

(参考)
アドテクスタジオ「AI Lab」の取り組み
アドテク分野におけるAI技術の活用事例
アドテクスタジオのAI研究組織「AI Lab」、米イェール大学の成田悠輔氏をアドバイザーに招聘、最先端の経済学をテクノロジーへ応用

上記記事によると、AIの活用において、特に注力しているのは下記3点とのこと。

・ユーザ、広告主、メディアをよく知る(プロファイリング)
・最適なマッチングを考える(CTR予測)
・ユーザごとに最適なメッセージを生成する(クリエイティブ生成)

CA社のIRページでも説明している通り、CA社のインターネット広告事業における強みは広告効果最大化の運用力です。その強みの源泉は「優秀な人材」ですが、もしAIに取って代われば、強みを維持しつつ人件費を削減できることになり、インターネット広告業界における地位は一層強固なものになりそうですね。CA社としては注力しない手はありません。

他社の動向はどうかというと、台湾に本社を置く「Appier」が提供する「Appier DSP」が、AIを活用した広告サービスとして既に注目を集めており、セコイア・キャピタル(GoogleやAppleにも出資をした有名なベンチャーキャピタル)からの出資を受けています。

インターネット広告とAIは親和性が高いと思われます。今後も新しい取り組みやサービスがドンドン生まれてくるのではないでしょうか。

インターネット広告 × VR

VRは広告クリエイティブへの影響が強い組み合わせでしょう。「アドテック東京」でもVRコンテンツ制作会社が多数出展していました。

「アドテック東京」に関する記事はこちら
上記記事内では、大企業がVRにどう関わっているかについても、ご紹介しています。

大企業だけではなく、ロサンゼルスに拠点を置くスタートアップ企業のImmersvが2016年にVRアプリ向け動画広告プラットフォームを立ち上げるなど、VRに関するビジネス活動は活発化しています。
(出典|VRで広告も新たな領域へ? Immersv社がVRアプリ向け動画広告プラットフォーム立ち上げへ

まだデバイスの普及も十分ではないため、VR広告が流行するのは数年先になるかもしれませんが、各社VRの活用方法を模索しています。VRに関するコンテンツ制作やコンテンツ配信プラットフォーム、デバイスの動向に今後も注目です。

インターネット広告 × IoT

インターネットに接続しているデバイスの数は2020年までに急増するだろう、と調査会社各社が予想しています。インターネット広告においては、広告配信メディアが増えることはもちろん、取得できるデータが増え、ターゲティングの精度向上に繋がるかもしれません。

個人的には、インターネットにつながったモノのそこかしこから広告が配信されることになってしまうと、消費者は広告を煙たがるのではないかと考えていましたが…

インタラクティブ広告に関する調査や標準策定を行う団体Interactive Advertising Bureau(IAB)が米国で行った調査によれば、ネットに接続されたデバイスを所有している米国の消費者の65%がIoT経由で広告を受け取ることに前向き

(出典|IoTデバイス所有者は、IoT経由で広告を受け取ることに前向き?–IAB調査

と、「半数以上が前向き」なのか「約半数は後ろ向き」なのか、どちらとも取れない調査結果が出ていました。

仮にインターネット広告を配信可能なデバイスの普及や、配信プラットフォームの構築ができれば、IoTによるインターネット広告配信先の増加=市場規模の拡大が予想されますが、いかに。

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各技術を使って、インターネット広告の進化が試みられていますね。2017年の発展が楽しみです。