マイクロファイナンスにも、Fintechの波が。

マイクロファイナンスとは

「マイクロファイナンス」というのは、小口に特化した金融サービスです。例えば、少額の貯蓄、少額の融資、少額の保険などが該当します。これらは、デジタルならではのビジネスではなく、もともと、貧しい人を支援する目的で行われている事業です。日本ではほとんど聞かれない言葉ですね。

発展途上国、とくに貧困層の人たちは、安定した雇用機会が少ないため、不安定な零細自営の生活を営んでいることが多く、また担保も信用もないことから、金融機関から融資を受けることは難しいのが実際です(どうしてもという場合には、闇金融しかない)。

そうはいっても、公共機関による寄付や補助金のようなスキームで救済しつづけるには財源に限界がありますし、自立した経済活動を促がすことにもつながりません。そこで登場したのが、マイクロファイナンスと呼ばれる金融サービスなのです。

マイクロファイナンスの歴史は比較的古く、1980年代にはアジア(バングラデシュのグラミン銀行)や南米(ボリビアなど)で本格的にサービスが提供されています。

ただ、普及が進むにつれて、一般の金融機関も参加し、ビジネスの側面がクローズアップされてきたり、マイクロファイナンス機関への出資が利回り重視になってきたり、無理に貸出を増やして多重債務者を生み出す業者が現れたりと、もともとの社会貢献的な精神が失われつつあるのが昨今の課題のようです。

マイクロファイナンス & Fintech

さて、このマイクロファイナンスですが、少額×多数というモデルであることから、デジタル化による恩恵を大きく享受できるスキームであることは明白です。

金融ビジネス基盤をデジタルネットワーク上に構築することで、多量のトランザクションを処理できるようになります。また、必要であれば支払・返済インタフェースとして他社と連係して間口を広げることも可能でしょう。何よりも、ユーザーの持つモバイル端末で接点を持てるようになれば、取引の利便性は格段に増加します。

マイクロファイナンスでは、実際に現地に赴いて現金の出納代行を行う業務も重要なのですが、モバイル化が進めば、訪問先での処理も即座に対応可能になります。

元々の構造的に、所得レベルの低い人たちが対象になるので、マイクロファイナンスでは与信の設定や信用情報の分析の重要性はより一層高いといえます。

この点についても、デジタル化されたプラットフォームできちんとしたデータ蓄積が進めば、AI(人工知能)などを利用することで、判断がより迅速・的確になっていくことも期待されます。

デジタルビジネスの進展は、こんな形でも、社会問題の解決に役立つ可能性がありそうです。

参考:Fintech or Die: Five Ways Microfinance Can (and Must) Respond to the Digital Age