介護 × AI(対話、介助、そしてバイタルサインの取得へ)

高齢化社会に突入した日本は「課題先進国」とも言われていますが、AIやロボットの介護への活用が、一つのソリューションになりそうです。

政府は「医療・介護」にAIを活用する意向を掲げる

AIの活用には、政府も注力しているようです。

安倍晋三首相は10日の「未来投資会議」で、2025年を見据えて新しい医療・介護システムの構築を目指す意向を表明した。健康の維持や重度化の予防、自立の支援といった視点をより重視した制度に変えるとともに、人工知能(AI)やロボット、見守りセンサー、ICTなど最先端の技術をフル活用していく構想を説明。

(引用元:AIやロボットの活用を介護報酬に反映 首相が表明 人員基準見直しも 具体化を指示|JOINT

介護においては、本人の希望や必要性・利用限度額・回数にもとづいて作成される介護サービス計画(ケアプラン)の策定にAIを利用する、という具体的な方針も掲げています。

政府は20日、ケアプランを作成するプロセスでAI(人工知能)を活用するための検討を始める方針を明らかにした。自立支援の観点でより有効なサービスを増やすとともに、業務の効率化や負担の軽減にも結びつける狙い。

(引用元:政府、ケアプラン作成にAIを活用 介護の効率化・負担軽減へ検討を開始|JOINT

高齢者の対話役としてのAI

最もAIの活用が進んでいるのがコミュニケーション領域で、既に実用化段階にあります。介護施設にソフトバンクの「Pepper」などのロボットが導入されているようです。傍から見るとなんだか寂しい気もしますが、そのうち常識になっていくかもしれません。

人工知能(AI)を搭載したヒト型ロボは、お年寄りの間で人気。ロボの音頭に合わせてイキイキと体操し、会話を楽しむ。ロボと接していると気持ちが楽になり、人間に対するときよりも思いやりの気持ちが強くなるという。

(引用元:AIロボ 介護現場で活躍 高齢者と交流、心の健康を改善 思いやりの気持ち刺激|日本経済新聞

介助にもAIを活用

立ち上がりや着座の支援を行うロボットは既に製品化しているようですが、AIの活用という観点では、まだ研究途上のようです。例えば、パナソニックと産業技術総合研究所が共同研究組織を立ち上げたという発表がありました。

先進型AI連携研究ラボでは、産総研の情報・人間工学領域が持つ先進の人工知能・ロボット技術と、パナソニックの家電・住宅・車・産業などの事業領域で今後想定される社会課題・顧客課題とを掛け合わせ、より良いくらしと社会の実現に貢献する先進型AI技術の研究開発を行います。

(引用元:「パナソニック-産総研 先進型AI連携研究ラボ」を設立|産業技術総合研究所

また、溝や障害物を検知して停止する、AIを搭載した電動車いすの開発を進める企業もあります。

アプリ開発などを手掛けるブリリアントサービス(大阪市、杉本礼彦代表取締役)が、電動車いすの自動運転装置の開発に取り組んでいる。溝や障害物を検知して、車いすを停止する実験を今春から始める。装置は車いすに後付けするタイプで、汎用性の高さが特徴だ。

(引用元:ブリリアントサービス 電動車いす自動運転|日本経済新聞

将来的には、バイタルサインの確認もAIが行うことに

今後AIロボットはさらに進化し、対話や介助だけではなく、高齢者の体調や行動状況の把握まで行うことになるかもしれません。

「IBM MERA」は事実上のワトソン2世だ。ワトソンを支える技術を装備しており、その振る舞いはIBMクラウドや、ソフトバンクの人工知能ロボット「ペッパー」内蔵のインタフェース上で制御される。さらに、ライス大学のスケーラブル・ヘルスラボ(Scalable Health Lab)」の研究者らと共同開発した「カメラバイタルス(CameraVitals)」を搭載。人間の顔を動画で撮影・記録しながらバイタルサイン(生命徴候)を導出する。

現在、空気中の二酸化炭素や一酸化炭素などを測定するセンサーを通じて、「誰が部屋の中におり、部屋の中でどのくらい過ごしているか?」が判る段階まで研究が進んでいる。「空気や移動、音、匂いなどを検知するセンサーが介護者との連携にどう関与し、結果として高齢者の生活の質(QOL=Quality of Life)の改善へと貢献し得るのか?」に着目しつつ、新たなステージへと突入した。

(引用元:人工知能・ワトソン2世「IBM MERA」は介護に特化…将来的にPepperにも搭載か|ROBOTEER

AIロボットのおかげで、高齢者が安心して一人で暮らせる時代が来るかもしれません。一方で、社会的にはますます孤立化が進んでしまいそうです。「急速にグローバル化が進んだ反動として、ナショナリズムが台頭する」という事態が起こったように、AIやロボットが急速に普及したことの反動で、昔ながらの家族のあり方が見直されたりするのでしょうか。いずれにしても、テクノロジーの進化は止まりません。