2016年のインターネット広告費と市場シェア

「日本の広告費」発表!
インターネット広告は継続して成長しているのか?

電通が毎年発表している「日本の広告費」の2016年版が、2017年2月に発表されました。

統計によれば、総広告費は「6兆2,880億円・前年比101.9%」とほぼ横ばいだったのに対し、媒体別にみるとインターネット広告費(製作費除く)が「1兆378億円・同112.9%」と、初の1兆円超えとなりました。

また、広告種別に見るとデータを利用した運用型広告や動画広告が、デバイス別に見るとスマートフォンが引き続き伸長し、市場成長を牽引しているようです。

※過去記事「日本の広告費を「Infogr.am」で図解してみる」も更新しましたので、ぜひご覧ください。

インターネット広告業界の競合状況は?

さて今回は、広告代理店やインターネット専業の広告代理店の決算資料から、インターネット広告における各社シェアと状況をまとめてみようと思います。

大手広告代理店3社と、インターネット専業広告代理店4社の売上高

市場シェア

※インターネット広告費「1兆378億」を母数とした

※なお、各社の事業区分や業務内容には差異あると思われますが、集計上はその差異を無視して、インターネット広告の代理店業務がメインだと思われる事業の数値をそのまま比較に利用しています。

インターネット広告業界では、サイバーエージェントが圧倒的首位であることがわかります。2位以下の会社に大きな差はありません。また、今回調査した7社で市場の約半分のシェアを占めていますが、一方で46.4%の市場がその他の企業で占められており、群雄割拠の様相を呈しています。

各社の状況は?

シェア首位のサイバーエージェント

直近の2016年10月~12月期売上高の昨年同期比が19.8%と、市場の成長率(12.9%)を上回る成長で事業が伸びています。市場拡大の要因となっている動画広告におけるシェアも伸ばしており、今後しばらくは、インターネット広告業界における首位の座は不動ではないかと思われます。
2017年9月期第1四半期 決算説明会資料

シェア2位の電通

2015年12月にインターネット広告を担当する部署の社員が過労死し、その問題の影響が懸念されましたが、2016年通年の売上高は2015年比13%の成長となりました。2017年2月に発表した中期経営計画でも、デジタル領域の進化と拡大を戦略目標に掲げています。労働環境の改善と並行して事業を成長させることができるか、注目です。
月次売上高の推移(単体)
電通グループの現況と今後の展望

シェア3位、インターネット専業では2位のセプテーニ

直近の2016年10月~12月期売上高の昨年同期比が16%と、上位2社と同様に市場成長率を上回る成長となりました。決算資料では、動画広告の取扱高が前年同期比3.9倍(22.5億円)となったことがアピールされています。サイバーエージェントの動画広告取扱高は前年同期比2.7倍(52億円)でしたから、セプテーニは動画広告市場での存在感を強めていると言えるかもしれません。
2017年9月期 第1四半期決算説明会資料

 

インターネット広告専業の広告代理店だけではなく、大手の広告代理店も、インターネット広告事業の拡大を企業戦略の一つに掲げているようです。
現在は、サイバーエージェントが頭一つ抜けているといえるでしょう。いまのところは各社の動きに差はないように感じますが、果たして他の企業はどのような戦略で差別化していくのでしょうか。
今後は、各社動向を注視しつつ、インターネット広告業界における勝ち筋を考えてみたいと思います。