FinTechビジネス事例 – お釣りを積み立てて自動投資

気軽に、ほとんど意識することなく

FinTechが実現した「少額x多数」のビジネスモデルの中で、興味深いものとして、「お釣りで投資」というサービスがあります。

アメリカのAcornsという会社の事例では、クレジットカードで買い物をした際に発生する1ドル未満の端数部分、要するに「お釣り」を自動で投資に回します。
あらかじめサービスに登録しておいたカードで支払を行うと、例えば買物の額が9.25ドルであれば、カードの請求は切り上げた10ドルとなり、0.75ドルが投資に回ります。また、支払った際に投資対象とするお店を指定したり、投資に回すか都度決めたりすることも可能。
このように、自分でほとんど意識することなく資金を積み立てていく、まさに、塵も積もれば山となるを実現したビジネスです。

日本では、投資運用をロボアドバイザーが行うWealthNaviという会社が、同じようなサービスの開始を予定しています。
「おつり」は100円・500円・1000円から選択可能で、月に1回、溜まった金額を投資に回すという仕様。ただし当面は、WealthNaviで資産運用していることが利用条件になるとのこと。

初期資金がほとんど不要で、面倒な積立・運用操作も不要となれば、投資のハードルはかなり低くなります。これをきっかけに、特に若い人たちにも「投資体験」が広がっていけば、投資に対するリテラシーを向上させるという、社会的な教育効果も見込めると考えます。

念のためリスクも

これらのサービスは、投資の入口を広げるやり方としては画期的。
ですが、出口、すなわち利益が出るのかという点の考慮は必要ですね。
AcornsもWealthNaviも、運用はラップ口座(手数料を払って運用を一任)となっています。WealthNaviでは、現在、売買手数料・入金手数料はゼロで、手数料率(WealthNavi手数料+ETF手数料+消費税)は1.数%以上となります。これを上回る利回りが出なければ、コツコツお釣りを貯めても意味がないので、運用実績はちゃんとウォッチしていく必要があるでしょう。

寄付タイプもあります

同様なモデルの事例で、Coin Upという会社もあります。
上述のサービスと同じように端数を貯めていくものですが、こちらは資金の使途が「寄付」となっています。より社会的意義の高いFinTech活用事例といえるかもしれませんね。