広まる投資型クラウドファンディング

MakuakeやCAMPFIREが代表するように、クラウドファンディングが一定の市民権を得てきました。その中でも、最近にわかに盛り上がっているのがソーシャルレンディングをはじめとする投資型クラウドファンディングです。事業投資や不動産投資には高額な資金が必要でしたが、ソーシャルレンディングでは、1万円など少額から投資することができます。

ソーシャルレンディングの仕組み

不動産クラウドファンディング(ソーシャルレンディングの一つ)を提供するLCレンディングでは、以下のようにサービスを説明しています。

出典:LCレンディングウェブサイト

LCレンディングが投資家から資金を集め、集めた資金を合同会社に貸し付けます。そして、貸付で得た金利(配当)と一定期間後に返済される元本を、投資家に支払うというスキームです。

以下は別のソーシャルレンディングサービスであるOwners Bookの案件例です。高額な物件に対しても1万円から投資ができる上、サービスおよび案件によりますが、低金利時代には驚きの年利4%~8%という高利回りです。また、案件によってはサービス提供者が貸し倒れリスクに対する保証をつけるなど、安全性が高くボラティリティの低い投資になっています。

 

出典:Owners Bookウェブサイト

サービス提供各社の状況

これまでの成立ローン総額を見ると各社かなりの金額を運用しています。その中でも日本で初めてソーシャルレンディングサービスを始め、今年9周年を迎えたソーシャルレンディング最大手のmaneoは大きな実績を誇っています。

※各社サイトの掲載情報をもとにDigital Business Blogが編集

サービス提供者それぞれに特色がありますので、見てみましょう。

  • 業界最大手
  • 不動産担保のあるローンや、事業性資金が対象
  • 自社サービスだけでなく、システムを同業のソーシャルレンディング各社へ販売・運用を実施
  • 証券会社である日本クラウド証券のサービス
  • 中小企業支援や、太陽光、風力、バイオマスなどの自然エネルギーによる発電ファンドが対象
  • JASDAQ上場のLCホールディングス子会社が運営するサービス
  • 不動産管理、不動産アセットマネジメントの強みを活かし、不動産に特化した案件が対象
  • 投資案件を横断的に比較できるクラウドポートを運営する会社
  • 太陽光、風力、水力などの自然エネルギー事業を行う事業者への投資案件が中心
  • 中小企業、特に店舗ビジネスを展開する事業者への貸付が中心

 

 

投資型クラウドファンディングの今後

クラウドファンディングは、海外ではすでに3兆円を超える市場規模になっており、国内においても年平均成長率が80%を超える成長市場です。また、ロードスターキャピタルなど上場企業も登場しており、今後認知度が広がり、その利率の高さから益々普及されることが想定されます。

出典:ロードスターキャピタル「成長可能性に関する説明資料」

ちなみに、貸付型クラウドファンディングの場合、投資対象が不明確になっています。これは貸付先が明確になると貸金業のライセンスを持たない個々人が、具体的な借り手に対して貸付を行うことになってしまい、法令上NGとなってしまうことが理由です。加えて、貸付型クラウドファンディングの場合には、貸付金利であるインカムゲインは得られますが、株式と違ってキャピタルゲインを狙うことはできなくなります。

よって株式を対象としたエクイティ型クラウドファンディングが登場することが予想されており、前述のロードスターキャピタルでは、エクイティ投資型に参入すると公表しています。デジタルにより新たな投資対象やサービスが広がり、金融リテラシーの格差やそれらに対する法規制の整備が今後の課題になっていきそうです。